出会い系サイト【ハッピーメール】日記から抜粋
(♀ 60代以上 東京都)
【ウイークエンドラブ】
エントランス中央に飾られた花は去年とは違うものに変わっていた。
lobbyにはペパーミントの香りが漂っていて懐かしさが込み上げてくる。
新年の初顔合わせはこの週末彼がとってくれたこのホテルで過ごした。
「元気にしてた?お正月太りはなさそうだね」
「じっくり確かめたら?」
私達はクスクスと笑いながらエレベーターに乗り込んだ。
手を繋ぎたかったけどホテルマンが一緒に乗り込んだから止めておいた。
いつものように彼がカードkeyをドアノブにかざして部屋のドア-を開けた。
「お帰り」
「だだいま」
私達はコートを着たまま抱き合って暫くそのままじっと再会の喜びを噛み締めあった。
寂しかった、堪らなく抱きたかったと体で語って欲しかった。
激しいsexが好きという性癖なのではない。
女は強く求められてこそ女だから。
午後から夜迄の大半を裸で抱き合って過ごす。
時々休んでお喋りしたり、うたた寝したり、お風呂に入ったり、お腹が空いたらホテル内の何処かで食事し、部屋に戻ってまた抱き合う。
夜9時過ぎ、いつものように駅の改札口で見送られて私は帰った。
今回は翌朝9時に再びホテルを訪れ一緒に朝食をとった。
「離れていたのは寝ていた時間だけだからまるで泊まったみたいだよね」
彼が嬉しそうに微笑んでいる。
洋食のバイキングtypeをチョイスし、オムレツの具はトマトとマッシュルームを注文した。
生ジュースやコーヒーを飲みながらパンにマーマレードを塗る。
陽当たりのよい窓際の席で彼と気の置けないお喋りをしながら過ごす贅沢な朝は夢の様だ。
3連休のうちの2日間を彼と過ごすために私がどんな嘘をつき、家事をこなしてきてここにいるのかを気遣ってか
「たっぷり遊ぼう。そして今夜は早めにお帰り」
そう言った。
私は黙って笑みを浮かべ、コクンと頷いた。
午後ゆっくりとチェックアウトしたあと、人通りの少ないところを選らんで少し散歩し、私が楽しみにして前もってチケットを買っておいた映画を観た。
夕食は豪華な鉄板料理で知られるお店へ行ってみた。白亜のビルに赤い絨毯、従業員がワラワラと大勢いて、物凄く馬鹿丁寧に接待する。
ワイングラスはBaccarat、食器はマイセン、リアドロの人形が飾られ、アールデコ調の華やかな家具が使われている。
これでもかと非日常を演出してある。
カップルが多い。
「ここは女性を口説く為のお店だね」
「口説き直してもいいよ」
「もちろん今夜もお持ち帰りしたい気分だけどさ」
リップサービスだろうけど嬉しかった。
私達不倫カップルはホテルで逢瀬する以外、食事し、散歩し、映画などを観る位しか身の置き所がない。
同じ地下鉄ホームのそっちとこっちで別れる為に電車を待っていた。
彼の乗る電車が先に来たから見送りは私になった。
別れ際、初詣がまだだという彼にもし行ったら今年もこんな一年が過ごせますようにと頼んでおいてと言って笑顔で手を振った。
電車が走りだし加速しはじめてから小さく投げkissした。
どんな一年になるんだろう…
今年も幸せと不安の交差点に立っている。
間もなく私の乗る電車が轟音をたててホームに滑り込んできた。
多くは望むまい。
目を覚ますように胸の奥で無言で呟いた。
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